相続税の納付方法を解説|現金・カード・電子納税・延納・物納まで

「相続税って、どうやって払えばいいの?」と戸惑っている方は少なくありません。相続税の納付方法は、金融機関や税務署の窓口での現金納付だけでなく、クレジットカード納付やe-Taxを使った電子納税、さらに要件を満たす場合の延納・物納など、複数の選択肢があります。
一方で、方法ごとに必要な準備や注意点(手数料の有無、領収証書の発行、利用できる金額の上限、申請期限など)が異なるため、全体像を把握しないまま進めると「期限に間に合わない」「思ったより費用がかかった」といったトラブルにつながりかねません。
本記事では、相続税の代表的な納付方法から手続きの流れ、延納・物納の要件までをわかりやすく解説します。ご自身に合った納付方法を選び、スムーズに手続きを進めるための参考にしてください。
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令和税理士法人 八王子の相続相談所は、八王子エリアで40年以上、 相続税申告や生前対策をサポートしている相続に強い税理士法人です。
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相続税の納付は、申告期限までに行う必要があります。申告期限は、原則として「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日」までです(通常は死亡日基準で考えるケースが多いです)。
主な納付方法は、大きく分けると次のとおりです。
なお、金融機関や税務署の窓口ではクレジットカード納付はできません。窓口で支払う場合は、現金等での納付になります。
| 納付方法 | 特徴 | 手数料 | 手続きの手間 | 向いている人の例 |
| 窓口納付(現金・小切手) | 金融機関または税務署の窓口で納付書を添えて納付 | 原則不要 | 平日日中に動く必要あり | 早く確実に納付したい人、領収証書が必要な人 |
| クレジットカード納付 | 専用サイトからオンラインで納付(メンテナンス時間を除く) | 決済手数料あり | 少ない | 窓口に行けない人、手続きをオンラインで完結させたい人 |
| 電子納税(ダイレクト納付等) | e-Taxを使い、口座引落しやネットバンキング・ATMで納付 | 原則不要 | 事前準備が必要なことあり | e-Taxを利用できる環境がある人、資金繰りに合わせて納付日を調整したい人 |
| スマホアプリ納付/QRコンビニ納付(30万円以下) | 税額が30万円以下のときに選べるキャッシュレス手段 | 原則不要 | 少ない | 税額が小さめで、手軽に納付したい人 |
| 延納 | 年賦で分割納付(要件・担保・申請等あり) | 利子税あり | 非常に多い | 一括納付が難しく、計画的に分割で納めたい人 |
| 物納 | 財産そのもので納付(延納でも難しい場合の最終手段) | 原則として決済手数料なし(審査あり) | 非常に多い | 現金化が難しい財産が中心で、延納でも納付が困難な人 |
※上限金額や申請要件など、詳細は本文で解説します。
ここからは、相続税の各納付方法について、実際の手続きの流れと注意点を順に解説します。納付期限までに手続きが完了するか、領収証書が必要か、手数料や利子税の負担を許容できるかなど、判断の軸もあわせて確認していきましょう。特にオンラインでの納付は便利な反面、方法によっては領収証書が発行されない、納税証明書に反映されるまで時間がかかるなどの違いがあります。ご自身の状況に合った方法を選べるよう、ポイントを押さえて進めてください。
相続税の納付方法として基本となるのが、金融機関または所轄税務署の窓口での現金納付(窓口納付)です。窓口では、現金(必要に応じて小切手)に納付書を添えて納付します。
納付書は、税務署または所轄税務署管内の金融機関に用意されていることが多いです。金融機関に納付書がない場合は、所轄税務署に確認すると確実です。記入方法は納付書の裏面を参照し、住所・氏名・税額・提出した税務署名などの記入漏れがないよう注意しましょう。
現金納付のメリットは、領収証書を受け取れることと、納付がその場で完了しやすく安心感が高い点です。一方で、原則として金融機関や税務署の受付時間内に出向く必要があるため、仕事の都合などで平日に動きにくい方には負担になる場合があります。
納付金額が高額になる場合は、事前に現金の準備(金融機関の引き出し上限、窓口での取り扱い可否など)も含め、余裕を持って段取りしておくと安心です。
相続税は、専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」を利用してクレジットカードで納付できます。納付書が不要で、原則24時間手続きできる(メンテナンス時間を除く)ため、窓口に行く時間が取れない方にとって便利な方法です。
利用できる金額は、1回の手続につき1,000万円未満かつ利用するクレジットカードの決済可能額以下(決済手数料を含む)です。また、現在利用可能なクレジットカードはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubです。
注意点として、クレジットカード納付では納付税額に応じた決済手数料がかかり、さらに領収書(領収証書)は発行されません。また、クレジットカード納付後、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで3週間程度かかる場合があるとされています。納税証明書が必要な予定がある場合は、特に早めの手続きが重要です。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を活用すると、相続税を自宅からオンラインで納付できます。相続税の納付方法としても、電子納税(ダイレクト納付など)は主な納付方法の一つです。
ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)は、e-Taxを利用して申告などをした後、事前に届出した預貯金口座から、即時または指定した期日に口座引落しで納付する方法です。利用には、事前に「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要です。
「納付日を指定できる」点は資金繰り面でのメリットになりやすい一方、事前手続きが必要です。早めに準備を進めましょう。
インターネットバンキングやATMで納付する方法も用意されています。窓口に行かずに納付できるのがメリットですが、利用する金融機関側のサービス(インターネットバンキング契約など)が前提になる点には注意が必要です。
また、電子納税を利用した場合、領収証書は発行されません。領収証書が必要な方は、納付書による窓口納付を選びましょう。
相続税は金額が大きくなりやすい一方で、相続税額が比較的小さいケースでは、次の方法が選択肢になることがあります。
スマホアプリ納付は、専用サイト「国税スマートフォン決済専用サイト」を経由し、「○○Pay」といったスマホ決済アプリを使用して納付する方法です。納付税額が30万円以下の場合に利用できます。
スマホアプリ納付も、領収証書は発行されません。また、利用するPay払い側で上限金額が設定されている場合があるため、事前にアプリ側の条件を確認しておくと安心です。
QRコードを利用したコンビニ納付は、国税庁ホームページから納付情報のQRコードを作成し、コンビニエンスストアで現金で納付する方法です。こちらも納付税額が30万円以下の場合に利用できる納付方法です。
この方法も領収証書は発行されません(一方で、払込金受領証は発行されます)。領収証書が必要な場合は、窓口納付を選びましょう。
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令和税理士法人 八王子の相続相談所は、八王子エリアで40年以上、 相続税申告や生前対策をサポートしている相続に強い税理士法人です。
相続税は、原則として法定納期限までに金銭で納付することになっています。しかし、期限までに金銭で一括納付することが難しい場合に備えて、特別な納税方法として「延納」と「物納」が用意されています。
ただし、延納・物納はいずれも「申告期限までに申請して許可を受ける必要がある」とされているため、検討する場合は、期限直前ではなく、早めの相談・準備が重要です。
延納は、一定の要件を満たす場合に、相続税を年賦などで分割して納付できる制度です。次に掲げるすべての要件を充たす場合に延納を申請することができます。
なお、担保については例外があります。延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下の場合は、担保が不要とされています。
延納中は利子税が発生します。また、延納期間は財産構成などによって変わり得るため、具体的にどの程度の期間・負担になるかは、申請前に専門家や税務署に確認しながら進めると安心です。
物納は、延納によっても金銭で納付することが困難な場合に、相続財産そのもので納付する制度です。物納は次に掲げるすべての要件を満たしている場合に、申請することができます。
・延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。
・物納申請財産は、納付すべき相続税額の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、日本国内に所在する次に掲げる財産であり、かつ次の順位(1から5の順)によること。
<第1順位>
1.不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券および出資証券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
2.不動産および上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
<第2順位>
3.非上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券および出資証券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
4.非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
<第3順位>
5.動産
(注1) 後順位の財産は、税務署長が特別の事情があると認める場合および先順位の財産に適当な価額のものがない場合に限って物納に充てることができます。
(注2) 特定登録美術品(美術品の美術館における公開の促進に関する法律第2条第3号に規定する登録美術品で相続開始の時において既に登録を受けているものをいいます。)については、上記の順序にかかわらず一定の書類を提出することにより物納に充てることができます。
・物納に充てることができる財産は、物納に不適格な財産(管理処分不適格財産)に該当しないものであることおよび物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。
(注) 自然公園法の国立公園特別保護地区等内の土地で平成26年3月31日までに環境大臣と風景地保護協定を締結していることその他一定の要件を満たすものは、物納劣後財産に該当しないものとして取り扱います。
・物納しようとする相続税の納期限または納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。
手続きも審査も厳格になりやすいため、専門家の支援を受けながら進めていくと安心です。
延納や物納は、相続税の納付が困難な場合に認められる制度ですが、利用には重要な注意点があります。
1つ目は、申告期限までに申請して許可を受ける必要がある点です。期限を過ぎると利用できません。
2つ目は、書類の準備と審査です。延納では担保関係書類を含めた提出が必要になり、物納では財産の要件や順位、管理処分不適格に該当しないか等もチェックされます。
3つ目は、コストとリスクです。延納では利子税が発生し、物納では「申請したが認められない」可能性もあります。いずれも最後の手段に近い制度のため、早めに税務署や税理士へ相談し、現実的な納付計画を立てましょう。
相続税の納付は、単に「お金を支払えばよい」というものではなく、相続開始から納付までに多くの準備と手続きが必要です。納付期限(申告期限)は原則として「被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内」までとされています。
まず、被相続人の死亡により相続が開始し、戸籍の収集などを通じて相続人を確定します。その後、相続財産の調査を行い、預貯金・不動産・有価証券などのプラス財産だけでなく、借入金などのマイナス財産も整理します。
続いて遺産分割協議を行い、必要に応じて遺産分割協議書を作成します。並行して相続財産の評価を行い、相続税申告書を作成します。
そして、期限内に税務署へ相続税の申告書を提出し、納付を行います。納付方法は窓口納付のほか、クレジットカード納付や電子納税、条件を満たす場合の延納・物納もあります。
窓口で現金等により納付する場合は「納付書」が必要です。一方、クレジットカード納付や電子納税など、方法によっては納付書が不要なケースもあります。
相続税については、申告書提出後に税務署から納付のお知らせや納付書の送付はありません。窓口で納付する場合は、納付書を自分で用意する必要があります。納付書は税務署に用意されており、希望する場合は所轄税務署へ問い合わせると確実です。
また、納付書で納付する場合は、税務署で用意した所定の納付書を使用するよう案内されています。会計ソフト等で作成して市販用紙に印刷したものなどは、機械での読み取りが正しく行えず、納付事実の確認に時間を要するなど不便が生じる可能性があるため注意しましょう。
記入にあたっては、納付書の裏面の記載のしかたを確認しながら、住所・氏名・税額・提出した税務署名などを正確に記入します。記入ミスや記載漏れが不安な場合は、税務署や税理士に確認してもらうと安心です。
相続税の納付で最も重要なのは、期限(申告期限)までに申告と納付を行うことです。期限を過ぎると延滞税がかかる場合があるため、スケジュール管理が欠かせません。
また、納付方法によって「証明の取り方」や「反映までの時間」が異なる点にも注意が必要です。例えばクレジットカード納付では領収書が発行されず、納税証明書が発行可能になるまで3週間程度かかる場合があるとされています。領収証書や納税証明書が必要な手続き(融資や各種申請など)が控えている場合は、納付手段の選定を含めて早めに動きましょう。
相続税の申告は自分で行うことも可能ですが、財産の種類が多い場合や、不動産・非上場株式などの評価が複雑な場合には、税理士に依頼するのが一般的です。
ただし、税理士は申告書作成や評価、税額計算をサポートする立場であり、納付そのものは相続人自身が行うのが基本です。納税資金の準備や、どの納付方法を選ぶかは依頼者側の判断になります。
一方で、税理士に依頼すると、納付書の記載内容のチェックや、納付方法ごとのメリット・デメリット整理、延納・物納を検討する際の書類準備など、実務面の不安を減らせます。特に高額納税や延納・物納を検討している場合は、申請ミスや期限遅れのリスクを下げやすくなります。
なお、税理士報酬の支払いについても気になるところですが、当事務所「令和税理士法人 八王子の相続相談所」では、初回相談を1時間無料で承っております。相続税の申告が必要かどうかの判断や、納付に関する不安がある方は、お気軽にご相談ください。
相続税の納付までをスムーズに進めるには、「納付方法」だけでなく、見落としを減らすための基礎知識も重要です。
例えば、財産の種類は多岐にわたります。預貯金や不動産だけでなく、生命保険金や死亡退職金、名義預金など、状況によって相続税の課税関係が問題になりやすいものもあります。全体像を整理し、早い段階で資料をそろえることで、申告・納付までの見通しが立てやすくなります。
また、評価が難しい財産が含まれる場合は、過大・過小評価のリスクを減らすためにも、専門家へ相談することが有効です。申告期限が決まっている以上、「後回しにしない」ことが結果的に最も安全な対策になります。
相続税の納付方法には、窓口での現金納付、クレジットカード納付、電子納税(ダイレクト納付・インターネットバンキング・ATM)、税額30万円以下の場合のスマホアプリ納付・QRコードのコンビニ納付、そして延納・物納といった多様な選択肢があります。
ただし、どの方法を選ぶにしても、申告期限までの準備と的確な判断が重要です。この記事を通じて、ご自身に合った納付方法を見つけ、スムーズかつ正確に納税できる一助となれば幸いです。不安な点があれば、専門家への相談もご検討ください。