名義預金について

相続税の申告内容につき税務調査が行われると、 通常の相続財産以外に相続人の通帳等がチエックされます。これは名義預金ではないか、との疑いがあるからです。

全くの専業主婦だったり、収入があっても少ない割に預金残が大きい場合、 その預金は亡くなった被相続人のものではないかとの疑いをもたれるわけです。
実際私が立ち会った相続税の調査でも 70~80%の割合で名義預金の疑いがもたれ、相続財産に取り込まれたものが多くありました。

収入は被相続人のものだけだが、長年かけて「へそくり」をためた結果、妻の預金口座の残高が大きくなったという例もあります。これらがすべて名義預金となるかというと、必ずしもすべてが名義預金とみなされることはありません。

長年かけて積み立てたものは、それなりに認められます。また年少者への贈与についても、親が知っていれば認められます。

贈与は現在(令和4年)110万円までは無税ですので、毎年100万円前後の贈与を 10年間続けれぱ1000万円前後になります。

そこで相続が起きた場合は被相続人の死亡3年以内の法定相続人への贈与分は、相続財産に取り込まれてしまいますが、それ以外のものは助かります。

名義預金であることの立証責任は国側にあるので、自分のものと十分確信をもてるなら、税務調査時に堂々と主張すべきです。利息及び配当金等の受け取り、処分等の管理運営を自分でしていることが証明できれぱ、立派な固有財産です。

自分のものと言い張れるようにするには、①その根拠と②期間が必要ということです。キチンと準備しておけば名義預金との疑いは回避できます。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。