認知症リスクに備えよう

日本は高齢化社会になっておりますが、2025年には日本の認知症高齢者は700万人を超え、65歳以上の高齢者の5人に1人の割合で認知症になるといわれています。
認知症になるとどうなるか?
認知症になると徐々に判断能力が低下してゆきます。すなわち本人は正常だと思っても周りから見て明らかに正常な判断ができなくなり、いわゆる「ボケ」状態になってしまうのです。
もし「法律上の意思能力がない状態」と判断されると、法律行為はできなくなります。
例えば不動産の売買、生命保険の契約、妻子や孫への贈与、遺言の作成等は、自分ではやったとしても無効となります。
さらに、振り込め詐欺等の被害を防止する観点から預金の引き出し、振り込みなどもできなくなります。
このように認知症になるとほとんど何もできなくなってしまうのです。
認知症になるということは思った以上に大変なことで、認知症になってからでは遅いので、なる前に対策を立てておく必要があります。

この「法律上の意思能力があるかどうか」は、医師の診断や、介護記録、家族の証言等により判断されます。しかし医師の診断書にしても現状から相当時日の経った古いものは認められない可能性が高いので、財産をどう残すかは、できるだけ早く遺言書を作成しておくことをお勧めします。
遺言書については自筆遺言も認められますが、公正証書遺言にしておけば確実です。
また先日のブログで書きましたが、民事信託というものがありますので、民事信託制度を利用するのも有効です。これについては司法書士さん、弁護士さんと改めて検討してみてください。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。