相続登記未了のトラブル

相続により土地を取得すると所有権移転登記をせねばなりません。というのもその土地を売ろうとしても名義人が違うと売却できないのです。

父が亡くなりその土地の登記簿謄本を取り寄せてみると知らない人の名義になっていた、などという話も聞きます。これでは売却はおろか相続登記をすることもできません。
また何代か前から受けついた土地が空き地のまま放置されており、相続登記はされておりませでしたが、この度調べたら15人以上の相続人がいることがわかり、びっくりしました。司法書士に相談すると、手続きはできるが、莫大な費用と時間がかかる旨を言われ大変困った。といった話も聞きます。

土地を相続した時は、速やかに相続登記をすべきなのですが、いざ所有者を調べてみたら登記がされてなかったということはこのように意外と多くあります。
それから現実問題として、土地の相続人が複数いて話し合いが難しいということもよくあります。このような場合は、裁判所で遺産分割調停や遺産に関する紛争調整調停など、相続に関する調停を申し込むこともできます。

また相続登記をせずにそのままにしておけば、固定資産税の請求が来ないと考えている人もいるかもしれませんが、相続登記をしていない土地については「現所有者」として相続人全員に固定資産税を納める義務があります。もし所有者が亡くなった後、相続人が不明で、その土地に住んでいる人がいれば、「使用者」であるその人に納税義務は生じます。国はそうそう甘くはありません。

このようなトラブルに巻き込まれないよう、相続財産の中に不動産がある場合は、速やかに登記手続きを進めましょう。

The following two tabs change content below.
【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。