元気なうちに早めの相続対策を。
相続対策をどうすべきか?とよく聞かれますが、その際3つのことを申し上げております。
と、ここいら辺は当ブログでも過去に書きました。
上記の3つの対策のうち、認知症になった場合は、何もできなくなります。
すなわち、認知症になると、自分の判断で財産を処分することができなくなります。
そこで、万が一の備えとして、民事信託、成年後見、生前贈与の3つの制度を頭に入れておいてください。
民事信託を利用すると、財産を管理してくれる人(受託者)と本人(委託者)が、信託契約を結ぶことにより、財産を受託者に移転し、その管理や運用を受託者に任せることができます。このメリットは、認知症などにより、委託者の判断能力が衰えてしまっても受託者が財産の処分などをできることにあります。
成年後見人制度は、法定後見人制度と、任意後見人制度という2つの種類があります。この制度が民事信託と異なる点は、財産管理だけでなく、身上監護まで仕事に含まれることです。「身上監護」とは、施設の入所契約の締結や、介護サービスの締結などの、法律行為を行うことを指します。
生前贈与とは、皆さんよくご存じの、暦年贈与(一年間に受け取った財産の合計額が110万円を超えた場合、その超えた分に対して贈与税が課税されます。)と相続時精算課税制度(受け取った財産が2500万円を超えるまでは贈与税は課税されない制度で、相続発生時に精算されます。)があります。
この相続時精算課税制度を選択した後は、暦年課税制度は選択できなくなります。
生前対策の選択肢は色々あります。そしてそれぞれの制度をカバーする範囲や役割もさまざまあります。しかし認知症を発症してしまうと意思能力のない人と扱われる可能性があり、相続対策は利用できなくなります。なるべく元気なうちに対策を検討しておくべきでしょう。