二次相続で起こりやすい相続のトラブルとその回避方法

子供にとって両親の一方が亡くなった際に発生する相続を一次相続といいます。そしてもう一方の親が亡くなった際の相続を二次相続といいます。一次相続であれば片方の親がなくなった配偶者の意向を、ほかの相続人に伝えることができます。また子供からすえば親の相続財産は親が管理すると考える人が多く、相続手続を配偶者が先導できる傾向にあります。

ところが二次相続の場合、両親がおらず、子供だけで相続を進めることになるので、相続財産をどのように分配するか誰が中心となって決めてゆくかがあいまいになりがちで、意見がまとまりにくいことがあります。また二次相続では、配偶者控除が使えないため、一次相続より相続税の負担が大きくなる可能性が高くなります。
(配偶者控除とは、財産の額が1億6千万円まで、または配偶者の取り分が法定相続分までは、配偶者に税金がかからない制度です)

二次相続では子供が相続人になるため、基本的にこの配偶者控除制度は使えません。
このように分配が難しいことと、配偶者控除が使えないこと等が、一般的に相続でもめる主な原因と考えられます。

仲の良い兄弟が、二次相続でもめて大喧嘩になったり、絶交状態になったりする例をよく見ます。二次相続で兄弟姉妹間にしこりを残さず、円満には話し合いを終えるためには、両親が元気なうちに準備をしておいてもらう必要があります。
トラブル回避方法としては、例えば次のようなことが考えられます。

(1)遺言書の作成
親の意思が明確に示された遺言書でトラブルを回避できる可能性が高まります。
(2)子供たちを交えた話し合い
相続人同士の今後の関係性を視野に入れ、相続が発生する前に子供たちを交えて話し合いの場を設け、財産の中身やその配分、必要な手続き等を共有しておくことです。
このように「転ばぬ先の杖」で親子兄弟姉妹が仲良く相続したいものです。
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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。