障害者控除

相続または遺贈により財産を取得した者が障害者である場合は、一般的にそうでないものに比べ、より多くの生活費を必要とすることから、その者の相続税から一定額を控除することになっております。
対象者は被相続人の法定相続人であること、および85歳未満で、かつ障害者に該当することです。障害者は一般障害者と、特別障害者に分かれますが、その範囲を書いていると紙面が足りませんので省略します。
控除額は、その者が85歳に達するまでの年数に一般障害者は10万円、特別障害者は20万円をかけた額です。

例えば相続開始時の年齢が31歳5か月とすると、85歳−31歳5か月=53歳7か月→54年となり、控除額は10万円×54年=540万円となります。特別障害者の場合は、20万円×54年=1080万円となります。

控除方法は次の算式から控除することになっております。

控除不足額がある場合には、その者の扶養義務者の相続税から控除します。
この場合にこの控除を受けることのできる扶養義務者が2人以上あるときは、扶養義務者全員の協議により配分額を決めるか、その扶養義務者の相続税額の按分比で決めることになります。

また過去に障害者控除を受けたことがある場合は、2回目以降の相続の際の控除額は、前の相続による控除不足額を限度として今回の相続における控除額を計算します。
それから前の相続で一般障害者として控除を受けたものが、今回の相続では特別障害者になってしまったような相続は、調整計算がされるような配慮もなされております。

いずれにせよ障害者控除は忘れずに受けてください。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。