家督相続(その1)

家督相続は旧民法(明治31年7月16日から昭和22年5月2日)による相続の方法です。家の主である戸主が死亡・隠居した場合に、長男が家督相続人として全財産を相続するのが、原則となっていたものです。
家督を相続した長男は新しい戸主として家族を扶養する義務を負います。

※現在と同じように、相続順位は民法により細かく設定されていました。
特徴的なものを少し挙げますと、男子を先とする、年長者を先とするというような記載があります。

なお、旧民法では戸主以外の人が死亡した場合の相続を遺産相続といい、戸主の相続のことを家督相続といっていました。昭和22年5月3日に現在の憲法が施行され、その日に家督相続の制度は廃止となっています。

※ゴールデンウィークの5月3日の憲法記念日は、現在の憲法施行を祝う日として制定された祝日です。

現在でも、長男が全てを相続する代わりに親の面倒を最後までみるというのは、一つの考えとしてあると思います。ただ、昔と違って、財産はその家の物ではなく、個人の物という考えに変わっているため、やはり遺産分割は一人の意見だけで決定するのではなく、相続人全員で納得するまで話合い、お互いに不満が残らない形にする方がいいでしょう。

また、本日は八王子に縁のある戦国時代の家督相続について調べてみましたので、次回はその事についてお話ししてみたいと思います。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。