生命保険の請求漏れを防ぐには?

被相続人が生命保険に加入していた場合、保険金の受取人、または相続人が保険会社に死亡保険金を請求する事になります。
しかし、被相続人が加入していた生命保険を全て把握できているでしょうか。
請求期限は、保険法第95条の規定により支払事由発生から3年です。
(かんぽ生命だけは、国営時代の名残りで5年)

※「保険法第95条」
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

期限を過ぎた後、保険会社に時効を主張されてしまうと、請求権は消滅してしまうかもしれません。
そこで、請求漏れが起こらないようにする方法ですが、以下の3つが考えられます。

  • 遺品から保険証書を探しだす。
  • 各生命保険会社に連絡をしてみる。
  • 一般社団法人生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用する。

生命保険協会の照会制度は、協会の会員である各保険会社に確認をとってくれる制度です。
有料ですが、42社(現時点)の保険会社に照会を行ってもらえ、被相続人が契約者または被保険者となっている保険契約の有無を、42社分、〇✕で回答してくれます。

一般社団法人 生命保険協会
URL:https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/

保険金の請求権には時効があります。
保険会社は期限を過ぎていても時効を主張せず、保険金の支払いに応じてくれるかもしれませんが、相続が発生した段階で上記の方法を利用し、契約の有無を確認してみてください。

また、現在は保険証書の電子交付が行われていたり、書面で送られていた契約内容のお知らせなどは、インターネットで確認する時代となっています。インターネットで確認するには、IDとパスワードがないとわかりません。相続が発生した時に混乱しないよう、家族間で情報を共有する方法を今一度、話し合ってみてください。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。