行き過ぎた節税の行方は?
確定申告のため時間を取られ、ブログを書く余裕がなかったので、少々間が空いてしまいましたが、今週から再開いたします。
今回は行き過ぎた節税対策について考えてみたいと思います。
相続税や贈与税での土地の評価は路線価が使われます。この路線価は土地取得の目安となる公示価格の約80%とされ、実勢価格より低いのが一般的です。従って現金で持つより不動産で持った方が相続税は安くなることが多いのです。
特に顕著なのがタワーマンションです。タワーマンションの場合は、実勢価格が 路線価による評価の3から4倍も珍しくない場合が多く、きわめて節税効果が高い状況になります。そんなところから富裕層の方がタワーマンションを購入することが多くなっていました。
しかし、相続税法には財産評価基本通達の総則6項という怖い規定があります。
「この通達により評価することが著しく不適当と認められる財産の価格は国税庁長官の指示を受けて評価する。」というもの。
この行き過ぎと思われる節税対策で現在係争中のものがあります。
実際の買値が13億8千万円のタワーマンションが、路線価により評価すると、3億3千万円となり、この差額があまりにも大きいので、国税庁が総則6項という伝家の宝刀を抜いて否認したのです。別に国税庁の肩を持つつもりはありませんが、この事例は私も少々やりすぎではないかと思っております。
裁判では高裁まで行き国税庁の課税処分は適法との判決も出ましたが、相続人側はこれに納得せず、最高裁に控訴しました。その弁論が22年3月に開かれます。
この結論は年内にも出ると思われますが、どう転ぶかはなはだ興味深いものです。
節税はほどほどにやることは必要と思われますが、あまりにあざとい節税策は如何なものかと思っております。