「無申告理由のお尋ね」の発送状況

相続は一生涯に何度も経験するものでもなく、「うちは大した財産もないし、これくらい大丈夫だろう。」と申告しないケースもあるようです。
そこで申告書が提出されていない場合、税務署から「無申告理由のお尋ね」という文書が送られてきます。ここ3年間の「無申告理由のお尋ね」文書の発送、回答などの実施状況は下表のとおりです。

この文書は、税務署が申告案内をした相続事案等のうち、当初申告等がなかった事案で、課税見込みとなる事案を中心に選定しています。実地調査に踏み込むかどうかは納税者の対応で決まってくるようです。
なお当初無申告でも、災害などやむを得ない事情で申告期限の延長が認められており、延長期限内に申告することで、「期限内申告」になる場合もあることをご留意ください。

現在当局では第一に一件当たりの追徴額が大きい事案、第二に重加算税の賦課割合の高い事案を実地調査対象として積極的に選定し、実績を上げているようです。
令和3事務年度の1件当たりの追徴税額は約2,083万円と意外と高額になっております。これは申告のあった事案の1件当たり追徴税額の約926万円よりだいぶ大きく上回っております。

このように、税務署の方も無申告には目を光らせておりますので、無駄な追徴税額などを取られないよう、まともに申告しましょう。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。