紛失した申告書を入手したい場合や閲覧したい場合

相続税の申告書を作成するにあたり、過去の申告書や届出書が必要になる場合があります。

例えば、過去10年以内に被相続人が相続税を支払っている場合は、相次相続控除の確認のために被相続人が財産を取得した時の相続税申告書が必要になります。
また、過去に提出した相続時精算課税選択届出書や贈与税申告書が見当たらない場合なども同様です。
それらの資料がどうしても見つからない場合は、以下の2つの方法のいずれかを利用して、新たに取得する必要があります。

1. 閲覧請求

所轄税務署の窓口に、申告書等閲覧申請書を提出します。
閲覧ですので、申告書などの控えを書面で入手する事はできません。
基本は手書きで書き写すことになりますが、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット、携帯電話での撮影も可能です。(動画は不可)

また、相続税申告書以外に贈与税申告書、所得税及び復興特別所得税申告書、法人税及び地方法人税申告書、消費税及び地方消費税申告書なども対象です。
なお、閲覧できる人は納税者本人(注1)、または代理人(注2)になります。

(注1)納税者本人について
  ・ 法人が提出した申告書を閲覧する場合は、法人の代表者が納税者本人になります。
  ・ 納税者が亡くなっており、相続人が代わりに閲覧する場合は相続人が納税者本人になります。
(注2)代理人の範囲について
  ・ 未成年者又は成年被後見人の法定代理人(納税者が個人である場合に限る。)
  ・ 配偶者及び4親等以内の親族(納税者が個人である場合に限る。)
  ・ 納税管理人(納税者が個人である場合に限る。)
  ・ 当該法人の役員又は従業員

2. 開示請求

所轄税務署に保有個人情報開示請求書を提出します。提出の方法は、窓口に提出する以外に、郵送やe-Taxによるオンライン申請という方法があります。
後日、申告書などの控えが書面で送られてきます。

閲覧請求は、原則、その日の内に税務署内で閲覧できます。すぐに情報を見たい方は、このサービスを利用しましょう。また、しっかりと書面で欲しいという方は開示請求を行いましょう。ただ、開示請求には審査があるため、書類が届くまでに時間を要します。少なくとも1ヶ月ほど余裕をもって、請求するようにしましょう。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。