タワーマンション節税規制の影響
タワーマンションは一般的に戸建て住宅と比べると、
といった特徴があります。
土地の評価額の計算上タワマンは土地が高度利用されているため戸数が増えるほど一戸当たりの土地の持分は小さくなり、按分の評価額も低くなります。建物についても原則として建物全体の評価額に対する専有面積の割合で計算されます。専有面積が同じであれば、どの階の部屋でも評価額は同じになりますが、実勢価格は高層階になるほど高くなる傾向にあります。
これらが要因となって、タワマンの相続税評価額は、実勢価格と大きく乖離する傾向がありました。国税庁の報道発表資料によると2018年の実勢価格と評価額の乖離率は、戸建て住宅の平均1.66倍に対してマンションは平均2.34倍です。
特にこの乖離が激しいものが相続税の節税に利用されたので、この弊害を除くため今回の規制になったものです。今回の改正によって相続税評価額が、市場価格の60%未満となっているものについては60%になるように評価額が補正されることになりました。
具体的には、築年数や部屋の所在階などの実勢価格を反映する要素が加味され評価乖離率が1.67倍を超える場合は、
「現行の相続税評価額×マンション1室の評価乖離率×0.6」 で評価されます。
この改正は2024年1月1日から相続や贈与によって取得するマンションから適用されます。
この評価方法の改正により、タワマンによる大幅な節税効果は見込めなくなりました。この方法で節税を図っている場合は、見直しが必要になることを考えるべきです。評価額の算出や、税金のシミュレーション等については、相続税に強い税理士さん等によく相談してください。