小規模宅地の特例で、適用する宅地を間違えた適法な申告後の訂正は認められるか?
これに対して税務署は、更正の請求を認めませんでした。相続人が出した当初申告書は、特居住用宅地等として選択したものも、特定事業用宅地等として選択したものも適法であり、課税価格の計算も誤りなきため、更正の請求により特定事業用地等につき400㎡を選択することはできない。というもの。
東京地裁の判断も、同様の判断をしています。(詳細は省略しますが、)本件特例を受けるものとして適法に一度選んで申告したものはあとになってこれを覆し本件特例の適用を拡大する趣旨で、更正の請求をすることを許さないこととしたものとされました。
つまり、東京地裁は今回の事案に対して、小規模宅地等の特例に関するいわゆる適用宅地の「選択替え」の問題として、当初に適法な申告をしたら、あとで訂正できないものと同じと断じたわけです。
小規模宅地等の特例は課税価格の評価上、控除額が大きく、非常に役立つ制度ですので、税務署の方もその適用は年々厳しくなってきております。宅地の選択には慎重さが求められるところです。くれぐれもお気をつけて適用してください。