相続税の更正の請求について

相続税の申告書を提出したのちに、課税価格や税額が過大であったことに気づき、税金の還付受けたい場合は、正しい相続税額に減額して還付を受けることができます。
この手続きを「相続税の更正の請求」といいます。

この手続きは原則として申告期限から5年以内に行う必要があります。
相続税の還付を請求できる主な場合は、次の5つの場合が考えられます。

① 未分割で申告したのちに、財産を分割した場合、
② 未分割の財産が分割されたことにより、軽減措置や特例を適用する場合、
③ 認知や相続の廃除の取り消しなどによる相続人の移動があった場合、
④ 遺留分侵害請求に基づき遺留分侵害額を返還した場合、
⑤ 遺贈に係る遺言書が発見されたり、遺贈の放棄があった場合、

などがあります。

相続税の更正の請求書を、更正の理由の基礎となる事実を証明する書類と共に税務署に提出すると、税務署で審査が行われ認められた場合は、「相続税の更正通知書」が送付され、その後に還付金が指定の金融機関の口座に振り込まれてきます。
認められない場合は、「更正の請求に対してその請求をすべき理由がない旨の通知書」が送付されます。この結果に納得がゆかない場合は、その通知をうけた日の翌日から3か月以内に、処分を行なった税務署長に対して再調査の請求するか、国税不服審判所に審査請求をするかのいずれかを行うことができます。

相続税には様々な特例があり、相続税関連の税制改正も頻繫に行われますので、誤って申告する可能性は大いにあり得ます。そのために最新の法律を把握しておく必要があります。しかし相続税の計算は複雑でわかりにくいので、実務経験の豊富な税理士に相談することをお勧めします。

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【公認会計士・税理士】早稲田大学第一商学部卒業。 有限責任監査法人トーマツ退社後、清新監査法人を設立、代表社員として従事(平成15年退任)。 税理士としては、トーマツ退社後、共同事務所経営を経て、串田会計事務所を設立。平成28年に税理士法人化、令和元年に社名を令和税理士法人に変更。現在に至る。 事務所開業以来40余年、個人のお客様及び中小企業から上場企業まで関与。 他に令和アドバイザリー株式会社の代表取締役を兼務。 趣味は、剣道(7段)、長唄、観相、囲碁等多数。